食べもの手当て法、今回は梅干しを利用して作る方法をいろいろ提案します。
身近な食材で、不調の初期に、ちょっと不安に思う時に使いましょう。
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熱や痛みなど
からだの不調は突然やってきます。
そんなとき、
台所にあるふつうの食べものが
薬に早変わり。
化学的につくられた薬に走る前に
からだに安全、
安心な食べものの力を借りて、
からだのバランスを中庸にもどしましょう。
大森一慧 さん著書より
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[ 梅干し ]
梅干しには、強力な「クエン酸」があり、糖質をエネルギ―に変えたり、
血液を浄化したりして、細胞を活気づけてくれる。
胃腸の粘膜を丈夫にする、
腸内を殺菌する、
カリシウムの吸収力を高めて鎮静効果をもたらす、
など、効果は数知れずあります。
梅干しのクエン酸に玄米の「フィトチン酸」が加わると、
放射性物質のストロンチウム90と結合して、
排出する作用があるという、
研究も報告されています。
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[ 梅醤番茶 ]
梅干しを利用する、大定番。 前回、紹介しました。
[ 梅肉エキス ]
青梅をすって長時間煮詰めたものが、梅肉エキスです。
非常に酸が強く、どんなばい菌もやっつける程、強力なパワ―を持ちます。
新陳代謝を促して腹痛、下痢、嘔吐などの症状を緩和してくれます。
食中毒の予防、予後に。
海外旅行に行くときは必ずお袋が持たせてくれました。
① 青梅は青い新鮮な果肉の熱い、水気の多いものが良い。
よく水洗いし、ザルにあげ水気を取る。
② 包丁かナイフで実を割り、種を取ってから、
陶器か磁器のおろし金で擦りおろします。
③ あろした梅肉をすり鉢に入れ、ネットリするまでよくする。
④ ガ―ゼのこし袋に入れて、汁をよく搾ります。
⑤ しぼり汁を土鍋にいれて、かき混ぜながら、とろ火でゆっくりアメ状に
なるまで煮詰める。
⑥ 陶器かガラスの容器に入れて保存する。
密閉すれば10年でも保存できる。
飲み方 ― 1回につき、耳かき一杯程度の量をゆっくりなめる。
[ 梅干しの黒焼き ]
梅干しの黒焼きを内服すると、疲れをとり、細胞を活性化し、
風邪に効果抜群。
出血や下痢をともなう激しい下痢によく効きます。
血行がよくなるので、認知症の予防にもお勧めです。
歯茎にぬれば歯痛をやわらげ、歯槽膿漏を改善します。
① 土鍋に梅干しをすき間なく一段に並べる
② 鍋ぶたの穴と、鍋とふたのすき間に小麦粉を練ったものを貼り詰めて
密封し、4~5時間とろ火にかける。
③ 種を取り除き、すり鉢で粉にする。
④ 陶器かガラスの容器に入れて保存する。
飲み方 ― ほんの少量を服用する。
強いので、事前に梅醤番茶・塩番茶を飲むと良い。
[ 梅干しシップ ]
こめかみがズキズキ痛んできたら、からだが陰性に傾いて塩気が足りない証拠。
梅干しを半分に切って貼ってみてください。
梅干しの塩分(陽性)が陰の症状を消し、患部の酸化熱と痛みを
クエン酸の代謝力が分解してくれます。
歯痛には、頬にはる。
手当て法 ― 種を取って開いた梅干しを、こめかみに貼ります。
落ちてこないように和紙などを当て、テ―プで止めます。
[ 焼き梅 ]
風邪の予防や引き始めによく使います。
① フライパンを中火にかけ、梅干しを転がしながら、
皮が黒焦げになるまで焼く。
② これをコップに入れ、熱湯を注いで飲む。
体がよく温まります。
[ 梅干し風邪薬 ]
風邪の予防に、引き始めに効果があります。
① 梅干し(大)5個に、しょうがのみじん切り30gを入れる
② みかんの皮(陳皮)―温州みかんの皮をよく洗い、内側の白いすじやわたを
そそぎ落としてカラカラになるので天日干しする。
すり鉢で、細かく擦っておく。
みかんの皮を少々と黒砂糖をひとかけら加える。
③ ①と②をドロドロになるまで煮詰める。
飲み方 ― スプ―ン一杯をなめるか、お湯で割って飲む。
[ 梅エキス ]
のどのトラブルに効果があります。
クエン酸やリンゴ酸など有機酸が豊富に含まれている梅には、
疲労回復の他に、のどの不快感を和らげる働きがある。
① ガラス瓶の容器の1/3に梅を入れる。
② ホワイトリカ―を満たし、3ケ月漬けておく。
梅エキスのできあがり。
[ 梅酒 ] [ 梅酢 ]
も常備しておくと、使い道が多いです。
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昔から「朝の梅干しはその日の難逃れ」というように、
塩気(陽性)と酸味(陰性)の効いた梅干しには
気分をさわやかにさせ、からだをシャキッと引き締めて
反射神経を敏捷にするなど、
不思議な効用がたくさんあります。
上記の梅干しの加工品を、身近に置いて健康維持に役立てて下さい。
梅肉エキス・梅干しの黒焼きなど、作るのに手間がかかる品です。
完成をネットで手に入れるのも方法です。