今回は、「 人のからだは、なぜ治る? 」の著者 大塚 晃志郎 から
「 なぜ"健康法"には矛盾が多いのか 」 です。
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まちがいだらけ矛盾だらけの健康法
「私は卵油を毎日かかさず飲んでいます」
「酢大豆って、とってもいいんですってね」
「私は青汁ですね。愛飲しています」
「やはりロイヤルゼリ―じゃないですか」
「わしは、毎日水をニリットルは飲むことにしておる」
ある健康法では、「水をどんどん飲め」、
別の健康法では、「水はあまり飲まないほうがよい」という。
みなそれぞれ万能であるかのごとく効能をうたっているが、
それぞれの健康法には矛盾がある。
なぜ、健康法には矛盾が多いのであろうか。
人の体はみな違う。
大きい人、小さい人。男と女。新陳代謝の早い若者と中高年でずいぶん違う。
生まれ育った環境が違う。
人間の体、生命というものは環境に大きな影響を受けるもの。
狩猟民族として長年肉食をしてきた欧米人の体質と、農耕民族として長年、
米や野菜、海藻を中心とした食生活をしてきた日本人の体質は違う。
人間の体質というもは、風土環境によって大いに異なるものである。
その人の体質というものに、その健康法がぴったり合っているときのみ、
その健康法は効果を発揮する。
体質は刻々と変化していく。変化してやまない姿が自然であり、生命である。
すべての体質に効くような万能薬というものはない。
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自分の「体質」の特徴をよく知り、自分に合っているものか見極めていくことが大切。
では「体質」とは
あえて体質を大きく二つに分けると
・ 血が濃いタイプ ― 陽性 体があたたかく、高血圧型
・ 血がうすてタイプ ― 陰性 体が冷える、低血圧型
口から入る食べ物には、「体をあたためるもの」と「体を冷やすもの」がある。
別の言葉でいうと、「血を濃くするもの」と「血をうすくするもの」がある。
事例
卵油 ― 卵の成分にはナトリウムが多い、これは体をあたためる。
卵油は時間をかけて火を通した苦味の強いもの。心臓のはたらきを強める。
だから卵油は副作用のない強心剤になる。以上のなりたちから、
「血の濃いタイプ」の人には合わない。ますます血圧が上がってしまう。
「血のうすいタイプ」の人、心臓の弱い、低血圧の人にはよい。
青汁・どくだみ茶 ― 葉もの野菜は、一般には体を冷やす働きがある。
肉食の多い、血が濃いタイプの人には効果がある。
酢 ― 肉、魚をたくさん食べ、胃腸も丈夫で、恰幅のいい人は、
暑がりで体がカッカしている
動物性食品の食べ過ぎて、血は汚れ、血管内にはコレストロ―ルや
中性脂肪が沈着している。酢を飲むと、油をとかしドロドロした汚い血を
ある程度きれいにする。
「酢は、血をきれいにし、実に健康によい」理屈になる。
やせ細っていて胃腸が弱い、青白い顔をした低血圧で
貧血型の女性が「酢」を飲むとうすい血がよりうすくなり、
貧血や低血圧がもっとひどくなってしまう。
塩分 ― 古来より、日本において「五穀と塩」は、生命の糧として、
貴重なものであった。
血の濃い多血型の人は、塩分をあまりとってはいけない。
逆に、血がうすい貧血型のタイプの人は、
ある程度ちゃんと塩分をとらないと、
どんどん血がうすくなり、体が冷えてしまって貧血もひどくなる。
減塩はしてはいけない。
塩分も、体質を考えた体内の塩分濃度のバランスが大切。
塩が悪いわけでない。
「体質」という考え方をもち、食べものの作用の「方向性」が分かると、スッキリ自分に
合ったものが選べるようになる。
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大塚先生は、「ホリスティック・メディスン」の知恵と言ってみえます。
前回メルマガのアンドル―・ワイル博士とも交流があります。
大塚先生の「ホリスティック医学」についても、順次書いていきたい思います。
大塚先生の、この考え方は、マクロビオティックに大変にています。
次回、マクロビオティックから、体質の陰陽▽△と食物の陰陽▽△を書いてみます。